Works for Residences
1. トリプルバルコニーの家(長野県諏訪市)
敷地は諏訪湖を南西に望む夕日の美しい、緩やかな傾斜地である。北東側の背後にはなだらかな山が控え、東側は諏訪大社に係る神社がありこの地域の四季が十分に感じられる、閑静な住宅地である。この住宅はアメリカ人の夫と日本人の妻(子供はすでに独立)のためのオフィス兼住居として計画された。パーティ等十数人が集うケースが多く、また日常の住まい方でも開放的な生活スタイルが希望であったため、2階から3階の住居部分は可能な限りオープンな空間として計画している。1階のオフィススペースは将来対応として、リタイア後は賃貸可能な形状になっており経年的なライフスタイルの変化にも対応している。狭小な敷地のため、ガーデンスペースが十分に確保できない条件の中で、各階にテラスバルコニーを設け、可能な限り外部空間環境を室内に取り込むよう配慮している。1階のオフィス前にはガーデン的なテラスを、2階にはリビングの延長としての生活空間的でありまた夕日が美しく見えるバルコニーを、3階には北側の山並みが順光で楽しめ、アウトドアパーティも可能な広さを確保したルーフバルコニーを設けて、諏訪の四季を感じられる気持ちの良い空間を創造している。
2. 空に近づく家(長野県岡谷市)
この住宅の敷地は、幹線道路より100mほど北に入った住宅地の中にあり、北側を鉄道が高架で通っているため、高架鉄道からの騒音は時折きこえるものの、道路からの騒音は聞こえない比較的、閑静なロケーションの中にある。
このような環境のなかで、間口東西に9.00m、奥行き南北に19m、道路は南側と北側に接道しているという敷地が、設計条件として私に与えられた。
クライアントは、車を5台ビルトインでき、形状は箱型のいえという希望を持っており、駐車場面積のみで60㎡を超えるとう、一般的な戸建専用住宅では考えられない条件をクリアしなければならなかった。
敷地を見たとき、京都の町家的なイメージがアイデアとして、脳裏に浮かんだ。南北に長い敷地、建て込んだ住環境。
そのなかにクライアントの希望を満たし、最適な住環境を確保する手法として、町家的な空間構成は、間違いなく有効なものであった。
今回、この住宅で試みたのは、単なる平面的なコートハウスでなく、3次元的なコートハウスとでもいうべきものである。
リビング - コート - ルーフテラス(駐車場上部)を大きな外部階段により、視覚的にも動線的にも、一体的なものとし、さらに外部であるコートとルーフテラスを構造的なフレームによって空中を切り取ることにより、外部であるにもかかわらず、内部的な印象の強い外部空間に置換している。
また、空中をフレームで切り取ることは、普段無意識にある、"空"-そら-というものを強烈に印象づける効果を生み出している。
周辺環境にすばらしい眺望が見込めなくて、また敷地は境界線で区切られても そら だけは無限に頭上に広がっている。
その そら を住環境に取り込むことにより、採光、通風といった2大条件をもクリアし、限られた敷地の中にかかわらず、光・風・雲といった自然環境を最大限、住空間に取り込むことを意図している。
リビング・バスルームに居ながら そら が見え、中庭(コート)から大きな外部階段でルーフテラスに至るとき そら が近づくような感覚を覚えるとしたら、この住宅のコンセプトは達成されたと言ってよいのかも知れない。
3. 円弧状バルコニーの家(長野県茅野市)
4. メザニン(中2階)のある家- 1(山梨県北杜市小淵沢)
敷地は北杜市小淵沢で、周囲に牧場のある閑静な別荘地である。緩やかに南側に傾斜した地盤で、接道は東側と北側の2面である。周辺環境に配慮して屋根形状は地盤勾配に沿った片流れとし、カーポートは道路から直接見えないよう独立壁により遮蔽され、2台の車両が2方向から出入りで来るよう計画している。また外壁材は地場産のカラマツを使用し、一部櫛引の塗壁も併用している。全体の平面形状は矩形とR形を組み合わせた形状であり、異なる形態を組み合わせることによりそれぞれがより強調されるよう意図している。断面的な特徴として、R形状のメザニン(中2階)を設けて、階段とともにLDKや2階とつながるオープンな書斎スペースを確保し、階下は納戸スペースとしている。中間期は開口部を開放し自然の風を取り入れるよう開口部の位置に配慮し、各階のデッキテラスとともに周辺の自然環境を積極的に取り込むよう計画している。現在2期工事として、カーポート部分をインドア化し、屋上をデッキテラスとする計画が進行中である。
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5. メザニン(中2階)のある家- 2(長野県岡谷市)
6. メザニン(中2階)のある家- 3(長野県岡谷市)
完全2世帯住宅である。幹線道路より一歩住宅街へ入った閑静ではあるが、狭小といえる敷地である。接道は東側道路4mで、敷地と道路との高低差2.50mという複雑な敷地条件をクリアしている。外観的には陸屋根(屋上利用)と切妻屋根を組み合わせ、諏訪湖(水平)の遠方にそびえる八ヶ岳(切妻)のようなイメージで計画している。また内部では鉄材の繊細さと木材の存在感のぶつかり合いを楽しむ空間を創出している。
7. アーケードテラスのあるスキップフロアの家(長野県茅野市)
敷地は茅野市、八ヶ岳山麓、標高1,000mのなだらかな傾斜地である。ここに傾斜地を活かした平家建てのスキップフロア型住宅を計画した。切土、盛土、擁壁工事等の造成工事は一切行わず、敷地の傾斜なりに基礎レベル、居住床レベル、屋根勾配を設定した3レベルのスキップフロア型住宅である。屋根勾配も可能な限り敷地の傾斜勾配に合わせ、また周囲の樹木よりも低く設定している。外壁は樹脂塗装左官こて仕上げとし、日本民家に見られる伝統的な土壁色でまとめている。敷地周囲に塀・生垣等の築造は、建築協定により禁止されているため、道路からワンクッション置き、プライバシー確保のためアーケード状のテラスをあたかも「縁側」のように設けている。今後植栽、デッキ工事、カーポート工事等の外構工事を行なう予定である。